【第2章 実数と一次不等式】第3節:一次不等式③ ── 共通の部屋を突き止めよ!連立不等式の可視化戦略

皆さん、こんにちは!浦元です。
先週の土曜特別講義「グラフの魔術」で、数学の美しい統一理論に触れた皆さんの脳のフィルターは、今最高にクリアになっているはずです。

本日は、その研ぎ澄まされた視覚をフルに使って、「連立不等式」という本格的なパズルを攻略していきましょう!

ここで、私たちが常にノートの余白に刻んでおくべき大原則を思い出してください。

“To see is to think.”
(見ること、それは考えることである)

2つ以上の不等式が合体したからといって、頭の中だけで計算しようとしてはいけません。
それぞれが示す「数字の部屋」を解き明かし、1本の数直線の上に重ねて描いて「じっと観察」する。ただそれだけで、驚くほど簡単に答えが浮かび上がってきますよ!


Ⅰ. 連立不等式を解く必勝ルーティン

連立不等式とは、2つ(またはそれ以上)の不等式を同時に満たす範囲を求める問題です。
次の3つのステップを順番に進めていけば、迷うことは一切ありません。

【個別に解く】: それぞれの不等式を、いつもの解法ルーティン(マイナスの罠に注意!)で別々に解く

【図に重ねる】: 出てきたそれぞれの範囲を、1本の数直線の上に高さを変えて重ねて描く

【共通部分の抽出】: すべての線が「上下に重なっているエリア」を目でじっと観察し、その範囲を答える


🌟 実際のパズルを観察してみよう!

【例題】 次の連立不等式を解きなさい。

{   3x - 2 > 10   ── ①
{   -x + 6 ≧ 2    ── ②

【解答(ルーティン発動)】
・ステップ①:個別に解く
   不等式①を解く: 3x > 12   ➔   x > 4   (⚪️ 4より大きい部屋)
   不等式②を解く: -x ≧ -4   ➔   マイナスで割るので逆転! x ≦ 4   (⚫️ 4以下の部屋)

・ステップ②&③:数直線に描き、共通部分をじっと観察する!

①の部屋

②の部屋

4

▶︎
x

🚨 さあ、図をじっと観察してください!2つの部屋の線が「上下に重なっているエリア」は、どこかにありますか?

ありませんよね!「4より大きい(入らない)」世界と、「4以下(入る)」の世界は、境界線の「4」というピンポイントの場所ですら、片方が白丸で弾いているため、重なり合う場所が全く存在しないのです。

【答】   解なし(共通の範囲はない)

「計算だけで解こうとする人」は、ここでパニックになって変な不等式を作り出します。
しかし、図を描いて「見た人」にとっては、重なりがないことは一目瞭然ですね。これぞ可視化の威力です!


🌟 本日の腕試しコーナー

数直線の上に2つの部屋を丁寧に重ねて描いて、その重なりをじっと観察してみましょう!

【問題】 次の連立不等式を解きなさい。
     {   2x - 1 ≦ 5
     {   4x + 5 > 1

✅ 解答と数直線の観察はこちら

【解答・解説】

・1つ目の式を解く: 2x ≦ 6   ➔   x ≦ 3   (⚫️ 黒丸から左の世界)
・2つ目の式を解く: 4x > -4   ➔   x > -1   (⚪️ 白丸から右の世界)

これを1本の数直線に重ねて描いて観察すると、「-1 と 3 に挟まれた部屋」が上下に重なり合います!

【答】   -1 < x ≦ 3

※ -1 の方は白丸なので「 < 」、3 の方は黒丸なので「 ≦ 」になる境界線のパズルも、図を見れば完璧に処理できますね!


🎯 今日のまとめ

「連立不等式という響きに怯えない。
『別々に部屋を求めて、数直線に重ねる。あとは“上下に重なるエリアはどこか?”と図をじっと観察するだけ!』

次回(木曜日)は、この連立不等式の発展編として、3つの不等式が合体するケースや、文章題から自分で連立不等式を組み立てる実践に挑戦します。図の観察力を磨いて待っていてくださいね。お楽しみに!

コメント

タイトルとURLをコピーしました